【INTERVIEW】Arise in Stability / 潜性思積 / Recessive Thoughts with Mass RELEASE INTERVIEW

結成20周年。横浜を拠点に活動するArise in Stabilityが4年振りとなる単独作 「潜性思積 / Recessive Thoughts with Mass」を11月20日にリリースする。

筆者の住んでいる名古屋でも支持は強く、私もこれまでに何度も名古屋で彼等がツアーや遠征で来名する度ライブを目の当たりにしてきたのだが、新譜を発売するこのタイミングでこれまでの20年間や新譜についてのインタビューをさせて頂いた。


Arise in Stability
Hosuke Taniguchi (Vo) / Masayoshi Onodera (Gt) / Kotaro Mezaki (Gt) / Ackey (Ba) / Suguru Yamashita (Dr)

INTERVIEWER

竹山 陽介 (STAY DUDE COLLECTIVE)


竹山
竹山

結成20周年おめでとうございます。
前作「犀礼 / Dose Again」発売から4年の間にメンバー脱退・加入も経ておりますので、よろしければ結成からこれまでの20年の変遷を教えてください。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

結成は20周年なんで2004年で、確かSTM onlineの掲示板か何かのメンバー募集で知り合った人と、大学時代の友人をかき集めて俺が作ったのが始まりになります。
2005年に初代Voが辞めたあと今は亡き横浜Gatewayに貼ったメン募の電話番号に電話してきたのが現Vo谷口法資で、2008年にmixiのメン募見て連絡してきたのが現Dr山下傑。

山さん(山下)が入ったあたりから関東圏外にも呼んでもらえるようになり、バンドが軌道に乗ったところで2011年にlastfort recordsから1st album “The future that amnesiac draws”を出しました。
その後GtとBaが変わって2015年にThe Rabies, Angagementとの3way split”The Heretic’s Proof”をリリースし、その直後にGtがまた変わって、ようやくバンドとして固め直して2020年に2nd album “犀礼/Dose Again”をリリースしました。
このリリースタイミングが丁度新型コロナウイルスのパンデミック騒動の始まりくらいだったので、リリース前に組んでたツアーは全部延期。しかも延期したツアーをこなしているうちに前Ba金安航大がスイスに留学するために脱退。前Gt平賀優介がヴィジュアル系を本業にする(摩天楼オペラに加入)ために脱退。と色々大変でしたが、現Baあっきーと現Gt目崎光太郎が奇跡的にほぼラグなく入ってくれたおかげで、2年半かかったけど延期したツアーも完遂できました。

んでようやく今のメンバーで地固めしたところで3rd albumを作りたいと思っているのですが、どうせ時間かかるのもあるし丁度20周年ということもあるのでこの2曲でシングル出そうぜとなりまして今回のリリースに至ります。


竹山
竹山

Arise in Stability (*以下AiS)は私が出会った当初(私のイベントに初めてご出演いただいたのは2010年〜ですが、2007年頃にRESPONSE TO HATE ELEMENTというバンドを私が名古屋に呼んだ際に当時のAiSのメンバー、ヒロシ氏からデモを頂いていました)よりプログレッシブメタルコア/マスコアを基調とした長尺の楽曲を特徴とし、既に現在までにいたる土台は整っていたように思います。

マスコア等のバンドは様々なスキルやバックボーンを持ったメンバーが多いという私の一方的な印象があるのですが、現在のメンバー皆様のルーツや原風景をそれぞれ教えていただけますか。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

細かいけど多分それひろしじゃなくてほーすけじゃないかな?
ひろしは2008年に入ったんで、RTHEにくっついていったのはほーすけ?かも。

竹山
竹山

失礼しました汗 16〜17年経つと曖昧な事柄が増えてしまいました…
とするとホウスケさんの可能性が高いです、たしかに2007年の出来事だったので!

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

ひろしと初めて名古屋に行ったのは、あいつがヘルプとして入って2週間後に行った2008年8月のLost Commitment企画のZionすね。これはこれで謎のJKベーシスト失踪問題とか色々あったんですけど。

竹山
竹山

Lost Commitmentの初企画ですね!私もその場で観ていました。

当時から既にライブが仕上がっていて、この高いクオリティのライブでベースがサポート加入2週間か!?と驚いた記憶があります。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

ありがとうございます。
ひろし4弦ベースで無理矢理弾いてくれたりと、結構バタバタではありましたがw


話を戻すと、私はヤング・ギターの32分音符で埋め尽くされた譜面見てニヤニヤしているようなギターキッズだったので、Dream Theater, Symphony X, Harem Scarem, Extremeあたりがルーツでした。あとSiam Shade。

メタラーとして時の流れの延長線上でKillswitch Engage等のメタルコアは聴いていたものの、大学時代の友人バンドが対バンしてたnervous light of sunday, Not2belikesomeone等を見て衝撃を受けて始めたのがこのバンドです。
このバンドの原風景としては前述のメタルやメタルコア、日本のnewschool HC + misery signals, between the buried and me, meshuggah, king crimson, TOOLって感じですが、”同じ展開を繰り返さない”っていう点は京都のノッツーとfireflyにかなり影響を受けています。

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

竹山企画の時レスポンスについてっていきなりロスコミ達と仲良くなったのは私です。

未就学時代親の影響でカーペンターズ、マーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダーあたりから始まった音楽的ルーツではありますが、J-POPにハマったきっかけはglobe、今聴いてもお洒落で新鮮。邦楽三大神は玉置浩二、鈴木雅之、久保田利伸。

中学時代はZeppelin、King Crimson、Deep Purple、そして筋肉少女帯辺りに没頭。

それが高校時代にArch EnemyのBurningBridgeに出会い全てが狂う。

その後Slipknotの台頭をきっかけに完全にそちら方向の音楽界隈に舵を取り、特に強く傾倒したメロデスではThe Duskfallが唯一神。頭がパーンとなる思い。

そうこうしてる間にMeshuggahのIとCatch33が完全無欠である事を悟り、救いはないねの一言を添えつつ人々に理解、共感される事を完全放棄。

それ以降のヘヴィーシーンではBetween The Buried And Me、Veil of maya、Animal As Leadersのの3バンドは狂う程聴いて、以後全バンドと共演してわりと満足気味。


もう15年位まともにやかましい音楽は聴いてない。二十代の半ばで自分のマストミュージックはULVER(Themes from William Blake’s The Marriage of Heaven and Hell以降)Tim Heckerの二組により全てが賄われていると言っても過言では無かろう。


肝心の国内シーンにおいては、高校卒業してすぐ横浜FAD、LIZARDに出入りするようになり、現HYSのバラさんが当時やってたバンド(名前出していいのかわからん)に衝撃を受け、この音、このライブ、日本人でできる人いるんだ!じゃあ自分もやらなきゃ!と確信する。そしてcoholとの衝撃の出会い、以後大分長いことライブに通いまくる。その後NEW SCHOOLとかMETALCOREなんて言葉が産まれ、国産バンドは?と問われ真っ先に名前が挙がるのが京都のfirefry。控え目に言って神であり伝説的。

文字数への気遣いもあり名前を挙げるバンドは最小限以下に留めてるので、なんで俺等の名前出さねえんだよと言う苦情は受け付けませんから、どうしても言いたい人は直接ビール奢ってください。

Kotaro Mezaki
Kotaro Mezaki

幼少期からクラシックロックは聴いていたりピアノもやってはいましたが、物心がついてからはT.M.Revolutionの西川貴教さんがやられているabingdon boys schoolという平気で1曲中にギターソロを2、3回やるJ-POPとは思えないバンドにはまったのがルーツかつギターを始めたきっかけです。

その影響かその後はよりテクニカルな音楽を求めてDream TheaterやDjent(死語?)、プログレッシブメタルコアにのめり込み今に至るといった感じです。総じて色々なジャンルをごった煮にして「そんなの気付かんだろ」みたいな技巧を楽曲に組み込んでいる音楽が好きです。

Suguru Yamashita
Suguru Yamashita

中学生の時にドラムを始めて、当時流行りのJ-POPやV系ロックのコピバンをやっていました。
周囲のバンド友達からパンク、メタル、ハードコアを教えてもらって以後、そっち方面のジャンルに傾倒していきました。
高校生の時、周りではメロコアバンドが流行っていた中、自分はFear Factoryばかり聴いていたような気がします。
その後The Dillinger Escape Planに触れて衝撃を受け、いずれはこういった複雑怪奇なバンドをやりたいと強く思っていました。
大学時代はメロデスバンドを組んで静岡県内で活動していたのですが、バンド脱退後にAiSのメンバー募集をmixiで見つけて加入を決意、今に至るという感じです。

Ackey
Ackey

ルーツで言うと、BURRN!を購読する一般的な家庭に生まれ幼少期に父親のCD棚を漁ってたのが大きいと思います。内容は70〜80年代ロックとジャズとブルースが大半でした。

それ以外のターニングポイントは、小3の時にDIR EN GREYがメジャーデビューして友達が学校にCD持ってきて聴いた時。
小6から1年半ぐらいアメリカに住んでた時に観ていたEminemが8 Mileやってた頃のMTV。

中学生の時2個上の友達が教えてくれたメタルコアやらスクリーモやら。

15歳で日本に帰ってきてCDショップにあるフライヤーとフリーペーパーに載ってるバンドを片っ端からチェック。

18歳の時にDEADLY PILESというバンドに加入してその活動の中での多様な音楽に出会い、そしていつの間にArise in Stabilityに入る…といった感じでしょうか


竹山
竹山

AiSは当初からメタルコアやニュースクールハードコアのシーンのイベントにご出演される事が比較的多いと思いますが、この20年で国内のマスコア/プログレッシブメタルコアのシーンを取り巻く環境や市場は大きく変化しました。

AiS自身は基本スタンスや(パンデミック期を除き)ペースを変えずに活動しているイメージを個人的に抱いているのですが、活動初期と現在で周囲やAiS自身を含め大きく変化したと思う事柄はありますか?

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

一番の変化は駆け出しの頃に年中対バンして打ち上げてた同世代のバンドがことごとく居なくなった事じゃないかな?勿論まだゴリゴリに続けてるバンドはいるけど。名古屋にだって20年近い付き合いの同世代居るし。

バンド辞める理由なんて年食えば食う程幾らでも作れるけど、続ける理由は好きだからとかまだ出来る事があるからとか糞シンプルなもんで、そういった意味では俺等自身は結成当初から根底にあるものは何も変わってないんじゃない?

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

そうですね、本当の最初期はマジでライブハウスのブッキングでノルマ払って地道にやっていたんで、その時期を除くと活動スタンスはいい意味でも悪い意味でもあんまり変わらないのかなと思います。
ほーすけの言う通り1st albumを出す前後(2011年あたり)で仲良くしていたり共鳴していたバンドの多くが今はもう活動しなくなってるパターンも多く見られますが、そもそも長く続くものではないと考えると自然な事なのではとも思います。音楽性が比較的近くてまだ続けてるのってbilo’uくらいじゃないですかね?

取り巻く状況としては、メタルコア/ハードコアシーンについては結構変わりましたよね。
この20年でcrossfaithやcrystal lakeのブレイクによって日本のメタルコアバンドも海外に打って出て食っていける例が示されたのはシーンの大きな変化かなと思いますが、そこにプログレとかテクニカルな要素を持ち込むと一気にコスパ悪くなるので、ムーブメントの中心にはなかなかそういうバンドは出てこなかった、という所感です。
一時期盛り上がっていたDjentがありましたが、これはプログレメタルというより”めちゃくちゃテクくてヘヴィだけど、実はリンキン・パークみたいに一般ウケしたい”が本質なんだと思うんですよね。あ、これディスではないですよ!実際Djentのバンドってメロディがしっかりしているのが多くて、そこが世に広まった一因なのかなと思ってます。
その観点からすると我々は色物過ぎてDjentというムーブメントも素通りしてしまったと。ちなみに今も少なからずDjentのバンドはいて、そういうバンドから声をかけられるのは嬉しいです。実際かっこいいバンドは今も結構いますし。In Denial, Delusionist, Penetrate, Paramenaとか。

AiS自体の活動スタンスは変わらないといったものの、度重なるメンバーチェンジもあったので質的な変化はかなりあったと思います。
曲に関して言えば6〜7割位俺が作っているとはいえ、げんき(佐野元紀:元Gt)が関わったBlank that won’t exist (1st album収録)やInka (3wy split収録)みたいなメロディックなのはもう今後作れないだろうし、その時代毎のメンバーの色合いを出してきたのかなと。

演奏に関しては確実に成長があると思っていて、これは幸運なことにメンバーチェンジ事にレベルが上っていると思いますね。あっきーと目崎くんが入ったことで、音への拘りや”単に弾けてるかじゃなくてニュアンスをどう出すか”というところにようやく辿り着いたなと思ってます。
実際あっきーは定期的に「ちょっとおもしろいペダル見つけたんすよ…」って謎にエフェクターを定期的に紹介してくるし、一昨年AiSシグネチャーモデルを出させてもらったPGSのAdventなんかは、正にあっきーが紹介したのが全員で使い始めるきっかけだったんですよね。
この20年のハイウォーターマークの演奏を今回リリースするシングルに叩き込んだ形です。

Ackey
Ackey

加入して思ったのは、やってる音楽性がトレンドから常にある程度距離がある分、活動のペースを急かされることも妨げられることもなさそうだなと笑
それと3rdデモから変わらないメンバー3人の色んな面での柔軟性も大きいと思います。
出演するイベントのジャンルとかもなんでもござれって感じだったり、最近だとフロアライブの機会を増やしたいねってなったり、柔軟に活動した結果スタンスが変わってない感じと言いますか。
おかげで新メンバー2人組もあれやりたいこれやりたいを言いたい放題してます。僕が謎にエフェクターを紹介したり笑

Suguru Yamashita
Suguru Yamashita

個人的に思うことは、昔は難しいこと、他がやってないことをやろうと躍起になってた気がします。
そのせいで本質的な曲の良し悪しを客観的に見れてなかったかも。
今は余裕が出てきて自曲を総合的に判断できるようになった、かな?


竹山
竹山

ありがとうございます。

新譜についてお伺いします。 M-1「間詰め / A Moment of Landscape」はこれまでのAiS節を踏襲しつつも、一枚を通して「虚構」をテーマに制作されAiSが持つ混沌を60分に凝縮したコンセプチュアルな2nd AL「犀礼/DOSE AGAIN」の楽曲群と比べるとどこか洗練された印象を覚えました。
先程「丁度20周年ということもあるので」仰られましたが、今回の2曲は次回のアルバムを見据えての楽曲というより、AiSの20周年を意識して制作されたものという位置づけでしょうか。
(どこか、2nd ALと以降のメンバーチェンジの成長や経験を経て1st AL「The Future That Amnesiac Draws」の時期のような楽曲に回帰した印象を個人的に受けました。)

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

いや、全然20周年は意識してなかったですね。
3rdに向けて作っていかなきゃという意識はあるものの、とりあえず新曲をという感じで捻り出したのが間詰めです。
この曲に関して言えば冒頭のメシュガー的な刻みが全ての取っ掛かりですね。これは過去に在籍していたメンバーも含めて、世のギタリストはマジで弾けないと思います。弾けないと言うか、こんなにアップピッキングを鍛える事はないと思うんですね。最近”器楽演奏とは心・技・体のバランスである”ってよく思うんですが、この部分は力技ではなく正に心技体を必要とするパートです。これができたらバンドとして今までに見えなかった技術的な景色が見えるのではないかと思ってました。ドラムは弦以上にしんどいですけど。笑

そこからはB-Murderを意識しつつリフを繋いでいったら、割と起承転結はいつものArise in Stabilityっぽくなったなとは思ってました。実はデモ作ったときは「なんかこじんまりと纏まったな」と思ってたんですが、Vo乗って大分突き抜けたと思います。

1stに回帰、というのは面白い感想ですね。一つにはいつものAiS感で曲構成が纏まったのもあると思いますが、レコーディングの質感も大きく影響している気がします。 2ndは取り憑かれたようにタイトに合わせた部分があったし、そもそも殆どの楽曲のギター録りは自分たちの自宅でトラッキング(ライン音を録音すること)し、その後スタジオでリアンプだったんです。
今回はギターも含めて、全パートSTUDIO PRISONERでエンジニアのHiroさんの前でトラッキングをしたというのがでかいと思います。しかもリアンプすらしなかったので相当フレッシュな音が録れましたね。 多少のブレも含めて、演奏の熱をどのように込めるか、これを最大限に重視しました。1stも自分たちでトラッキングしたんですけどw、割とガチガチに合わせなかったから下手くそだけど生々しかったのかもしれないですね。

1st, 2nd対比で魂も技術も込められているのが、今回の音源だと思います。
勿論新メンバーの影響もでかいし、2人がいるからこういう方向性で録ったというのは大いにあると思います。

Kotaro Mezaki
Kotaro Mezaki

誰にも言ってなかったんですけど、個人的な裏テーマとして2ndの技術水準をもって1stの勢いを再現するってのがあったので言い当てられてびっくりしてます(笑)
2ndがある種の極みに至ったものだと思ってるのでそれを超えるには違ったアプローチをするしかないなと。
それが生々しさであったり、グリッドにただ合わせるだけじゃなくて、その場での熱を込めるといった方向に繋がりました。
レコーディングでも予期せぬピッキングハーモニクスが「なんか良い」という感覚で採用になったりして正しさよりもかっこいいか、驚くような音になっているかを意識していたように思います。

Ackey
Ackey

目崎くんと僕が加入してからライブで2ndアルバムをフルでやることが何回かありましたし、1stアルバムの再現ライブもやったのでしっかり全曲把握した上で挑めました。
その中でできた新曲っていう意味では5人全員改めて1stと2ndを振り返った上での20周年的楽曲と言えるかなと思います。
「間詰め」に関しては1stばりの曲の振り切れ具合がありつつ2ndのようなまとまりがある印象です。1stに入ってたら曲尺1.5倍ぐらいになってただろうなって思います。

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

1st出した後、かなりダラダラしたんですよね。
まあどのバンドも最初の正式音源って完成してツアーしたら少し気が抜ける感覚になると思うんですけど。自分らは曲作りが遅いのもあるけど、そんな脱力感も相まって9年もかかったと思うんですよね。
正直2nd出してからのペースも早いとは言えないけど、でもアルバムを作る前提で動いてるので今回のシングルは20周年っていう丁度いいタイミングをお借りして、やる気はあるぞっていう意思表示なのかもしれませんね。

いやーしかし曲作ってる時期は楽しいね。俺はトラック出来るの待ってるだけだけど。


竹山
竹山

「記憶なんてもんは砂みたいなもんで / 積もっては飛ばされて波に洗われて / 突拍子もなくふとした表紙に映像となってぱっと現れる / 直ぐに突風が吹いて其れは居なくなる」と冒頭の印象的な一文から始まるM-2「Mobius Swallows the City / 盲の谷と聾の山」は、インスト曲やアルバムのインタールードを除いてAiS史上珍しく3分台の楽曲となっています。
しかしながら目まぐるしく変わる展開とホウスケ氏の歌唱パターンの引き出しが次々に開かれ、聴き終えた際には全く3分台に感じない尺に驚かされました。 AiSとしてはかなり珍しい尺の楽曲でしたが、これは意図して3分台になるように制作されたのでしょうか。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

聾(Mobius Swallows the City)は疎密の疎というか、敢えてスカスカの曲を作ろうと思って取り掛かりました。結果割と音数は多いし全然高密度になりましたが… シンプルな曲をカッコよくやるのが世の中で最も難しいことだと思っていて、今のメンバーならようやくこういう事に挑戦できるなと思ったんで持っていったのもあります。
普段から「なぜJudas PriestのPainkillerのスウィープピッキングはあんなに弾けてないのにカッコいいのか」という話で盛り上がったりするので、そういう譜面には現れない「間合い」の妙味を理解できる布陣でないとこういう曲は怖くてできないと思っていました。

3分台に感じないというのは嬉しいですね。これも歌入りで相当変わりましたが、ずっとVo入ってる上に言葉数が多いのが長さというか密度を感じる理由かもしれないですね。俺も初めて聴いた時「こいつギターソロも含めて全部歌ってやがる!」とは思いました。 それにしても寂聴なんて、瀬戸内以外で聞いたことがないですよね。

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

こういう糞シンプルな曲のボーカルワークは幾らでもやりようがあってなかなか着地しなかったし、なんならまだ着地してないに一票なんですけどね、まあライブ重ねる度に色々変わると思うんで音源と違うじゃないかとか言わないでね。

ちなみに寂聴のくだりは、歌詞として言語化する際は寂静で、涅槃寂静とかいう10の−24乗とかいう生きてて使う事の無いゴミ以下の小さい数字の単位から取ってます。「じゃくじょう」ってデスボイスだと滅茶苦茶発音しづらくて、レコーディングでは確かにじゃくちょうって言ってたかも。
そもそも涅槃寂静なんていう単位が存在してたかどうかも怪しいもはや都市伝説的な曖昧さも相まって、尚且つ瀬戸内寂聴と東尋坊デートなんて素敵なので、色々掛かってもはや意味なんてどうでもいい発音記号に成り下がっています。

Ackey
Ackey

聾は曲の短さ以上にテンポが一定なのがAiS的にかなり珍しいところだと思います。
曲調的にもAiSにしては明るめかなって思ったのに歌詞が冒頭の部分だけが描写的には綺麗だけどそれ以降は絶望的ですね。
そのほぼ唯一綺麗な冒頭部分も音源ではエフェクトが掛かってて霞んで文字通り”直ぐに突風が吹いて其れは居なくなる”のですが。

ちなみに個人的にはテンポもゆったりめで短い曲ですが練習とレコーディングでは間詰めより苦労しました。
この曲のフレーズで一時期左手小指の関節を痛めましたしレコーディングも間詰め異常に時間が掛かりました。 伝わらない難しさ詰まりまくってます。


竹山
竹山

本作のレコ発、そして自身の20周年となる自主企画が11月30日に新宿ANTIKNOCKにて開催されます。
SLOTHREAT、kOTOnoha、ulma sound junctionといった楽曲のスタイルは違えどAiSと所以のあるアーティストがご出演されます。
それぞれのアーティストとAiSでのエピソードやご紹介をいただけますと幸いです。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

SLOTHREATはほーすけが彼らが結成直後から「すげー良いバンドがいる」って話てたのと、Gt克哉くんがエンジニアとして一時期あらゆる日本のメタルコアバンドを手掛けてたのでこっちから一方的に知っていた感じですね。
確か2022年のcenturion oath企画で見に来てた克哉くんと孝哉くんと話したのが俺は最初の接点かな?そんなこんなで2023年夏のミヤゴくん企画で対バンして、そこで同期&イヤモニとは思えないライブ感あるステージで惚れ込んで今に至る感じです。
彼ら、音や見た目の洗練さから創造つかない感じで良い意味でスタンスがバンドマンらしいというか泥臭いんですよね。イヤモニも「本当はライブ感出すために外したいけど完成度を高めるために仕方なく…」って言ってたし、いやもう十分ライブ感も完成度も高いだろって思うんすけど。
近年増えてきたローAを超えるダウンチューニング+歌モノというカテゴリーの中では、国内外含めて1番好きなバンドです。軀謌のリフを聴け!

kOTOnohaはこの3バンドの中では1番付き合いは古くて、2015年3月のVo啓志くんの企画で新宿アンチノックで呼ばれたのが初邂逅すね。
その時から凄い表現力で完全に心掴まれたし、何度も長野県内にライブ呼んでもらって、個人的にも啓志くんといっぱいくだらない話したりライブでラッパーとしてfeatしてもらったりと縁の深いバンドだと一方的に思っています。
うちの2ndのNoise Heard in the MoonのPVとあの時のアー写は巨匠横田先生(Gt)の作品です。
俺等と同じで結構メンバーチェンジがあるけど、その度に「何なの?」ってくらい進化しててクソやばいバンドだと思います。


ulma sound junctionは一言でいうと日本最強のプログレメタルバンドです。
俺らの昔からのファンでありアー写やライブ写真を取ってくれてる写真家のJunくんが「凄まじいプログレバンドが立川バベルの平日のブッキングに出てるんですよ」って教えてくれたのが繋がりのきっかけですね。
初めて話したのは2017年夏に渋谷サイクロンでやったAiS企画にVo&Ba田村さんが見に来てくれた時で、その後企画に呼んでもらってご一緒して、なんてヤバい非の打ち所のないバンドがいるんだと思ったのを覚えています。
全員演奏上手いけど、特に田村さんは特に異常でもはや日本のゲディ・リーですね。あれよという間にメジャーに行っちゃったけど、こうして今回も出演してくれて感謝しか無いです。

Ackey
Ackey

個人的にはkOTOnohaの啓志さんがLIALIEやってた頃に対バンしてましたね笑

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

結成当初から一緒にやってたバンドが居ないのはなんか残念な感じもありますけど、20年もやってれば取り巻く環境も変わるし、これも自分達らしいかなとも思いましたね。
まあまた懐かしくて加齢臭がするイベントは別に横浜でやるつもりですけど。

Kotaro Mezaki
Kotaro Mezaki

SLOTHREATとは単純に友達なので節目のイベントに出てもらえるのが嬉しいですね!小野寺さんも言ってますが、彼らステージ上はスタイリッシュだけど実はいい意味でバンドマンらしい反骨精神に溢れてるので最高です。
来年はドイツのプログレメタルUnprocessed来日のOAも任されたり、アルバムのリリースも予定していて益々活躍していくと思うので是非チェックして欲しいですね。

Suguru Yamashita
Suguru Yamashita

共演してくれるだけでもありがたい事この上ないです。感謝の気持ちしかないですね。


竹山
竹山

最後に、新譜を手に取ってくださった方やレコ発にお越しいただける方、インタビューを読んでいただいた方にメッセージをいただけますと幸いです。

Masayoshi Onodera
Masayoshi Onodera

配信でも聴いてくれる事自体が本当に有り難いと思いますが、気に入ってくれたらフィジカルも是非入手して欲しいですね。今回プレス枚数は少ないですが。アートワークと歌詞をもって作品としての完成があると思ってます。
ほんまりん (instagram / X)は第6のメンバーの如く作品作りに関わってくれている人なんですが、彼のデザインは奇跡的なまでにArise in Stabilityに調和してると思うので、歌詞を読みつつ堪能して頂きたいです。
音源聴いて、11/30の新宿Antiknockのレコ発にぜひ来て下さい。
東京以外の人は、ちょっと先ですが2/1に名古屋・上前津Zion、3/8に大阪・心斎橋火影でレコ発を予定しています。後日詳細発表します。 ちなみにレコ発じゃないけど11/23にも名古屋の上前津Zionでライブします。

Kotaro Mezaki
Kotaro Mezaki

20周年記念の今回の新譜を聴いた後に1st、3way split、2ndと聴き直していただけるとより楽しめるのではないかと思います。
11/30のレコ発のセトリも自主企画ならではの(演奏するのも聴くのも)大変なものになってるので是非来ていただきたいですね。

Ackey
Ackey

20周年かつ現体制初音源ということで現在のArise in Stabilityの記録を楽しんでいただければと思います。
配信上で歴代3人のベーシストの違いを楽しめるようになりました笑

11/30は周辺でもたくさんのイベントが被ってて、この回答をしてる前日にもWEEPというバンドのvoのオオクボ君と飲んでてお互い企画の日程被っちゃったね!とか話してたんですけど笑
そんな熱い1日の中でも堂々と張れるメンツと音源携えてるので来ていただければと思います。

Suguru Yamashita
Suguru Yamashita

20年に渡ってバンドが存続できたのは、CDを聴いてライブに来てくださった皆さんの支えがあったからこそです。相変わらずスローペースですが、バンドは少しずつ進化していると思っていますので、今回の新曲を聴いて今現在のAiSを知っていただき、この先出るであろうアルバムを楽しみにしていただければ幸いです。

Hosuke Taniguchi
Hosuke Taniguchi

さあ皆さん、修行しましょう。

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